CI計画:コーポレートアイデンティティのリニューアルや新規開発の流れ・進め方 CI計画とそのCIデザイン・VI計画は企業ブランディングの根幹を成し、将来的な企業ブランドイメージを創造する取り組みです。ビジョンを軸に、リニューアルでは企業理念など築いた資産をベースにコーポレートアイデンティティを積み上げます。アイデンティティの創造とデザイン、PR・浸透施策や運用管理まで中長期支援を視野に入れサポートします。
企業ブランディングの基盤となり資産になるコーポレートアイデンティティ。
コーポレートアイデンティティは企業ブランディングの基盤としてブランドコミュニケーションを支え、そのコミュニケーション効果を最大化し、いずれ財産になります。まずは顕在化している課題を共有させて頂きながら潜在的な課題について検討します。その上でプロジェクトの内容と規模を想定し最適なチームを組成します。
準備~課題の共有
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ヒアリング
プロジェクト骨子案の提示
プロジェクト方針の策定
表出している課題と目的・目標を共有し、大まかな概要を把握します。コーポレートアイデンティティ・企業ブランディングについてご説明さしあげ、プロジェクト内容や範囲、規模により最適なプロジェクトチームの組成を検討します。クライアント様においては部門を横断した推進チームを組成し、導入後は推進室や管理部門としてより具体化する場合もあります。
骨子案の提示では実施内容やリードタイム、及びご予算等プロジェクトの大枠についての検討が可能です。
ヒアリング |
認識している課題の共有 |
展開アイテム、コミュニケーション状況の共有 |
簡易ヒューリスティック |
プロジェクト骨子案の提示 |
プロジェクト方針の策定、ご承認 |
キックオフ |
現状把握~課題抽出
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インタビュー
棚卸し
調査・分析
本質的課題の導出
プロジェクト・プロポジションの最終化
課題抽出では、大きくブランド課題(デザイン課題を含む)、機能的課題、コミュニケーション課題について浮き彫りにします。まだ把握しきれていない課題をそれぞれ専門的見地から分析~抽出。課題の本質を導き出し、プロジェクトのプロポジションや実施項目、到達目標について精緻化・最終化します。
トップインタビュー |
メンバーインタビュー |
棚卸し |
市場調査 |
競合調査 |
本質的課題の導出 |
プロジェクト・プロポジションの最終化 |
トップインタビュー/メンバーインタビュー
事業内容をはじめ、企業の“意志”や価値観、想いについて弊社と共有。経営方針、将来的な事業やブランドの展望についてヒアリングを行い共有します。
棚卸し
「アイデンティティ」~「コミュニケーション」~「運用・管理」の3つの段階について現状を把握。コーポレートブランドの成長とクライアント企業様の発展を目指して、課題や改善点を抽出するブランドオーディットを行います。
デザイン面とコミュニケーション施策、また各種ガイドラインの内容とその運用面において、表面化している課題と照らし合わせながら、大まかに潜在的な課題を見い出します。
アイデンティティ
コーポレートアイデンティティに関わる内容について把握します。企業理念やビジョン・ミッション・バリューなど企業活動の礎になっているコンセプト、ターゲッティング・顧客イメージ、ポジショニング戦略について内容を提供いただき共有します。その上でコミュニケーションデザインのプラットフォームであるビジュアルアイデンティティ(VI)の現状について確認します。
●ブランド要素:ブランド体系、とりわけ企業グループ体系と各会社名などエンドースメントに関する内容、コーポレートブランド要素とVI基本デザインシステムの現状(企業名称はじめタグラインやスローガン、コーポレートロゴと各種ロゴタイプ、コーポレートカラー等)について確認します。
●アイテム調査:名刺・封筒などコーポレートフォーム、WEBサイトや販促ツール他、主要な各アイテムを収集頂きその内容について確認します。ロゴの表示の現状、アイデンティティとデザイン表現・トーン&マナーとの合致性、各アイテムのデザインフォーマットの統合性、その他構築されたビジュアルアイデンティティ(VI)システムで表面化している課題等について確認・精査します。
コミュニケーション
コミュニケーション内容について把握します。広報・PR施策の内容についてはACDC・コアメンバーが蓄積した専門的知見により現状分析を行います。
社内外ステークホルダーにおけるコーポレートアイデンティティの浸透状況と発信しているメッセージの一貫性について精査・確認します。また現状のタッチポイントと各々展開されているコミュニケーションアイテム群について、及びそれらの連携と各施策の効果、その他突出して接触頻度の高いアイテムの有無など、コミュニケーションとブランド体験の内容について確認します。
運用管理
ブランドコミュニケーションガイドラインやCIマニュアル、ブランドスタイルやVIマニュアル等、関連する各ガイドラインについて共有させて頂き内容を精査します。
及びそれらの管理部門と、各部門間を横断することで表面化している課題など組織的側面について確認。また基本デザインのバリエーションが増えたり、各アイテムのデザイントーンで統合性が破綻したなど、長くVIを運用したことにより生じているデザイン課題について確認します。
調査・分析
棚卸しを通して浮き出た把握したい未知の内容について、デスクトップ調査や現地調査、場合によって外部調査会社による市場調査を実施します。既に調査・分析資料をお持ちの場合は、情報を共有させて頂きます。主に3C分析、またSWOT分析等から現状を把握し、アイデンティティの創造とコミュニケーションの実行に結びつけます。
顧客分析
企業ブランドの価値観と最も共感度が高い顧客、「ブランドターゲット」を定義します。また売り上げ上のボリュームゾーン、マーケティングターゲットを併せて確認。 そのブランドターゲットにおける企業イメージと浸透度、ウォンツ・ニーズ等を把握しながら、将来的に目指す企業イメージとの乖離について認識を確実にします。それをもってアイデンティティの創造につなぎます。
競合分析
現状のポジショニングについて確認します。競合におけるアイデンティティとコミュニケーションの現状を把握し、競合に対する自社の強みや弱みを見い出します。気付きにくい自社の価値を見い出し、突出して差異化する戦略とコミュニケーション企画の立案に結びつけます。
課題抽出~実行内容の提案・策定
アイデンティティの創造
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現状認識の共有・仮説立案
ワークショップ
アイデンティティの構築
表現軸の策定
企業ブランドイメージを創り上げるための軸、コーポレートアイデンティティを明文化します。それは将来的に目指す企業イメージであり、現状とのギャップを認識しながら新たなコンセプトを創っていく創造的作業です。
それまでの企業理念やビジョン・ミッション・バリューなど、既存コンセプトをルーツに据えるなどその位置づけを明確にし、コンセプトを積み上げるためのベースにします。その上でアイデンティティを構築し、最終的には企業ブランドの本質的なコンセプトであるプロポジションの創造につなぎます。
現状認識の共有・仮説立案 |
ワークショップ |
アイデンティティの構築 |
表現軸の策定 |
現状共有・仮説立案
ワークショップを進める準備として、課題抽出段階から得た内容から自社の強み、ブランドターゲット、ポジショニング等についてまとめ現状について認識を共有、仮説を立てます。それをベースにワークショップを進めていきます。
ワークショップ →アイデンティティの明文化
参加メンバーによるブレインストーミングを実施します。将来的に目指す企業イメージについてディスカッションをします。参加メンバーから“企業ブランドとしての意志”について意見を集め、理想とするコーポレートアイデンティティの創造に向けて収斂していきます。
ブランドプロポジション/ブランドバリュー
ワークショップでは自社が提供する価値と顧客において生まれる価値についてプロットしていき、結合や削除、追加しながら企業ブランドとしてのバリューコスモスを構成します。それを材料に機能的価値と情緒的価値に編纂、洗練された形を創り出します。最終的にひとことで言い表す本質的なコンセプト、ブランドプロポジションに落としこみます。コアになるのはブランドプロポジション(ビジョンに相当。呼称はブランドエッセンス、ブランドプロミス等各社による。)。これがビジュアルアイデンティティ(VI)やコミュニケーションにおける表現の軸となります。
ブランドパーソナリティ
企業を人格に喩えるなど、性格・パーソナリティを定義します。若々しい革新者、ヒトに優しい、真面目で堅実…等々。これが社会に伝え、醸し出される企業の「雰囲気」や空気感となります。クリエイティブ・デザインではトーン&マナーやトーン&ボイス、接客など従業員の対人コミュニケーションにおける接し方まで影響するため重要です。
コーポレートステートメント
コーポレートステートメントはブランドプロポジションを指すことがあります。ここではブランドバリュー、ブランドパーソナリティについてポイントを捉えた内容を、100字前後で端的にまとめた文面を指します。
これをもって、コーポレートアイデンティティを社内外に浸透させていく取り組みをします。その取り組みは主にPRを活動の中心に据え、WEBを核にした各種メディアやツールを使い、コミュニケーションを展開していきます。
ブランドターゲット/ブランドポジション
ブランドターゲット、ポジショニングについて最終化します。
タグライン・コーポレートスローガン
上記を創造・構築した時点で、社内外に向けてアイデンティティの浸透を図る“タグライン”の開発が可能になります。
企業によってはブランドプロポジションがそのままタグラインになる場合もあります。またインターナルブランディングとして社内向けのコーポレートスローガンに類するものと、顧客などに向けた対外的なコーポレートメッセージに類するものに分けることもあります。
アイデンティティの創造~構築
世界観の創出
コーポレートブランドの世界観の方向性を確認
場合により、キーワードとサンプルイメージを大まかに組み合わせたワーディング&イメージングを行い、明文化したコーポレートアイデンティティをビジュアルに結びつける試みを行います。ここまでの取り組みで創り上げた言語的なアイデンティティを、視覚的に表現するための大まかな方向性を確認します。この段階では方向性の確認までであり、具体的なクリエイティブ・デザイン制作ではありません。
表現軸の策定
クリエイティブ・デザイン方針の定義
クリエイティブ・デザインの軸となる表現軸を定義します。伝えるべきメッセージ(意味)、トーン&マナー(雰囲気)、仕様など満たすべき機能を明確にしたクリエイティブブリーフを作成。後の的確で強いクリエイティブ・デザインコンセプトの立案へつなぎます。
ビジュアルアイデンティティの開発
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基本デザインの開発
アプリケーションデザインの制作
CIマニュアル、ガイドラインの開発
マスターデータ集の編纂
コーポレートアイデンティティ(CI)を視覚で表現し、コーポレートアイテムや各コミュニケーションデザインを一定のルールの下、統合するのがビジュアルアイデンティティ(VI)です。ビジュアルアイデンティティは、コーポレートアイデンティティを体現した企業ロゴを核に、コミュニケーション全体を支えるよう構築された、ビジュアルコミュニケーションのプラットフォームです。
基本デザインの開発 |
アプリケーションデザインの制作 |
CIマニュアル、ガイドラインの開発 |
マスターデータ集の編纂 |
言語から視覚へ。世界観をビジュアル化する取り組み。
言語から成るクリエイティブの源泉は、「意味」「雰囲気」「機能」の3つの観点から掘り下げます。それらをハブにし視覚的表現へと結びつけ、より的確で強いクリエイティブへとジャンプします。人々の共感を得、社会と共有できる強いコンセプトの導出を目指します。
- プロポジション、理念やビジョン、提供価値等から導出
- 意志、理念、哲学、伝統、DNA、由来
- 隠喩、メタファー
- 約束や保証
- ブランドパーソナリティを主な源泉に、トーン&マナーを規定
- 情緒面:醸し出し醸成する空気感、時代性、流行や時流性、及び事業イメージ
- 情緒面から規定する内容:ブランドカラー・カラーパレット/書体・フォント/ビジュアルトーン:フォトディレクション、イラスト、ピクトグラム、インフォグラフィック等
- 知覚品質面:審美性、造形美術としての品質レベル・完成度・精緻度
- アイテム、デザインの機能面
- アイテム:使用環境や使われ方、特性や役割。基本デザインのアイテム展開性。アイテムの運用面等。
※ユーザーインタビュー、カスタマージャーニー等から明確化 - デザイン面・ブランド要素:基本デザイン展開性、伝達性、識別性、記憶性、基本デザインの運用面等。
- ブランド構造:ブランド体系・ブランドネーム戦略による検討事項。CIデザイン・VIのデザインシステムの構成・構造、及び展開アイテムのレイアウト等に大きく影響。
基本デザインの開発
ロゴを核に、コーポレートカラー、ブランド書体、社名ロゴタイプ他、基本的なデザイン要素で構成されたベーシックデザインシステム(基本デザインシステム)を構築します。この基本的なシステムが多種多様な展開アイテムのデザイントーンを統合し、各アイテムのデザイン・設計における基礎になります。
ガイドラインには、ロゴの使用・表示方法に関する基本ルールを中心にした様々な規定を盛り込みます。それを前提に精緻なデザインシステムを開発します。
コーポレートロゴ
コーポレートロゴはコーポレートアイデンティティ、とりわけブランドプロポジションを体現します。
ロゴの型式には、シンボルマークに意味を凝縮しロゴシステムを構成する「シンボルロゴ」、企業のブランドネーム(文字)をロゴにした「テキストロゴ」と大きくは2つに大別でき、それぞれにバリエーションがあります。各々に機能的特長があるので、企業それぞれに適した型式を戦略的に選択できます。シンボルロゴはシンボルマークの象徴性が強いため、認知が進むと一目で認識されます。一方、テキストロゴは象徴性を強く主張しないため、とりわけプロダクトデザインにおいてそのデザイン性を阻害しません。
“どのようなやり方で認知を促進させるのか”、“ブランドターゲットとの接触頻度が突出しているパワーアイテムは何か”等々、企業を取り巻く環境により最適な型式で開発します。
コーポレートカラー
例えば「A社といえば何色を思い浮かべるか?」と聞いた時、最初に想起されるべきシンボリックな色をメインカラーに据えます。メインカラーとサブカラー、ブランドカラーとサポートカラー、など呼び方は各社それぞれ。ただしメインカラーは記号的であり、コーポレートイメージを創り出すには不足です。そのため企業ブランドを創るにあたっては、アソートカラーを数色、環境色などカラーパレットを設定します。カラーパレットを用い、各アイテムへのデザイン展開において、企業のパーソナリティを表現するのに十分な色環境をつくります。以上により、企業が表現したい雰囲気醸成に生かします。
他、基本デザイン要素
●ブランドフォント/コーポレートフォント:コーポレートカラーと同様、企業がデザイン上で醸成したい雰囲気を創る大切な規定です。基本的には使用書体を指定。第一優先書体を規定し、環境次第で推奨書体を規定するなど現実的な対応を行います。
英文では日本語と異なり文字数が限られているので、企業オリジナル書体をデザインすることが可能です。デザイナー向けに再生用フォントデータファイルを独自に作成・頒布するなどし、アイデンティティを強く際立たせる場合もあります。
●社名ロゴタイプ:コーポレートロゴと同様、シグネチュア(署名)として使用します。ただしコーポレートロゴのようにブランドプロポジションの意味を凝縮し表現する目的はありません。
アイデンティティをさらに際立たせるためオリジナル書体をデザインする場合と、既存書体で構成し精緻化する場合があります。
既存書体で構成する場合は、平明な印象でコーポレートフォントとの親和性が高く、展開アイテムのデザイン性を損なわない有利性があります。そのためオリジナルデザインだから良いというわけではありません。しかしいずれにせよ精緻化作業により、完成度の高い造形品質が求められます。特に和文正式書体の精緻化作業には確かな経験が必要です。
●スーパーグラフィック/グラフィックパターン/グラフィックエレメント:アプリケーションアイテムのデザイン表現において、デザイン性やイメージを肉付けします。コーポレートロゴをグラフィック要素に編集してアイテム展開するケース、コーポレートロゴにイメージ連動するデザイン要素を開発するケース、などを多く見受けられます。
基本デザイン要素のシステム化
基本デザイン要素を構成しシステム化します。社会に向けて優先的に醸成すべきロゴシステムをメインのコーポレートロゴ・ブランドロゴとして策定します。その他、コーポレートカラーのルール、扱い方の禁止事項、その他諸々について規定します。最終的にベーシックデザインシステムとしてガイドラインに編纂するため、一定のルール・設計の下でシステム化し、ガイドライン開発につなぎます。
アプリケーションデザインの制作
ベーシックデザインシステムを踏襲し、具体的なアイテムデザイン制作を行います。名刺や封筒などコーポレートフォーム、WEBサイト、プレスリリース等のWORD(ワード)テンプレート、PPT(パワーポイント)テンプレート、販促ツール、看板・サインシステムのデザイン設計、各種店舗アイテム、車両やユニフォームなど、全社的にイメージ統合すべきコーポレートアイテムをデザイン制作。
ビジュアルイメージの統合的展開は、部門間を渡った社員の意志統合、顧客に対してはコーポレートアイデンティティを際立たせ、各ステークホルダーにおけるコーポレートイメージの創造を促進します。
コーポレートフォーム
名刺をはじめ、封筒などのステーショナリー類を統合されたイメージでデザインします。現代の名刺は企業によりますが、部門の複雑化や企業グループ化、資格等の掲載など掲載要素が非常に多くなり複雑化しています。そのため、名刺のデザイン設計で時間と労力を要する事が多くなっています。ガイドラインの名刺に関するページ数も10ページ前後になることもあります。
これに対し便せんやファックスヘッドなどは電子化・ペーパーレス化の流れで、また帳票類も業務システム化が進み、これらをデザイン・設計する機会はほぼなくなりました。
WEBサイト
アプリケーションデザインとしてのWEBサイトは、テンプレートのマスターデザインとプログラムデータまでになります。WEB戦略企画、コンテンツの企画・デザイン制作はアプリケーションデザインの開発枠には含まれず、コミュニケーション施策の枠で実施します。
現在はブランドブックやクレド等も、社内向けには社内ポータルサイト、顧客向けにはオウンドメディアで運用することを勧めています。WEBサイトはコミュニケーションメディアの軸になります。
PPT(パワーポイント)テンプレート
アプリケーションとしてPPT(パワーポイント)をデザイン・制作することにより、各部門や担当者を横断するイメージ統合されたデザインテンプレートを実現し、際立ったコーポレートイメージの創造に寄与できます。具体的にはスライドマスターの作成となり、PPTによる各種パンフレットや営業支援ツール、プレゼンテーションドキュメント等は、コミュニケーション施策の枠で実施します。
プレゼンにおける資料やスライドドキュメントの作成はもとより、販促パンフレットや会社案内、オフセット印刷データまで作成できるPPT(パワーポイント)は、コーポレートアイデンティティを表現するメディアとして重要さを増しています。さらにアイデンティティを際立たせたい場合は、オリジナルのピクトグラム・アイコン群のデザイン・制作、基本チャートの作成など、その開発規模は大きくなります。
他、アプリケーションアイテム
●看板・サインシステム:単体の看板・サインのみならず、フランチャイズやチェーンストアなど多店舗に渡る場合はフレキシブルなマスターデザインを設計、細かなシステム化の上で対応します。
●ショップアイテム:店舗においては遠景~中景~近景により、それぞれ効果的なビジュアル要素や、手に取るものでは触感が求められるなど、ポイントが異なります。それらポイントを踏まえてデザイン・制作します。
●その他:その他アイテム各種について、基本デザインを展開してデザインイメージを統合します。パッケージデザインフォーマット、車両、ユニフォーム、広告やパンフレット等のレイアウトフォーマット、店頭ツール・POPなど企業それぞれによって必要なアイテムについて、ベーシックデザインシステムを踏襲たレイアウトフォーマットを設計します。
CIマニュアル、ガイドラインの開発
全社的にコーポレートアイデンティティを共有し、中長期にわたる統合的なアウトプットを実現するため、CIマニュアルなどガイドラインを制作し運用します。ガイドラインには明文化したコーポレートアイデンティティを盛り込み、ベーシックデザインシステムやアプリケーションデザインシステムの規定を制定します。
ビジュアルアイデンティティに限定したガイドラインは「ブランドスタイル・ガイド」や「VIマニュアル」とします。一方、ボリュームが大きくなるケースでは長期的なブランドコミュニケーション戦略の概要、LOOK & FEEL(トーン&マナー)に関する詳細なガイドラインを制定するなど、コーポレートブランディングについて網羅的に盛り込み「ブランドコミュニケーションガイドライン」とします。コーポレートブランディングを推し進めるものとして編纂します。
ボリュームが大きい場合は、外部の制作チームに対する現実的な対応として、要点を踏まえた抜粋版も準備しておくことが望ましいです。広範に渡り細かい規定を掲載したフルコンテンツ版は現実的ではありません。制作現場での読み込みに要する時間と労力を敬遠され、要点の漏れにもつながりかねません。
コーポレートアイデンティティ
ブランドプロポジションをはじめ、コーポレートステートメントやブランドバリューなど明文化したコーポレートアイデンティティを編纂します。企業活動全体の方針を定めた企業コンセプトであり、「企業理念」や「ビジョン・ミッション・バリュー」の型式も同様です。インターナルブランディングでは、そのエッセンスを社内向けブランドブックやクレドをはじめとする各種ツールに落としこみ、社内浸透を図ります。
世界観
最初にコーポレートブランド全体の世界観を端的に表現します。イメージビジュアルやブランドプロポジション、キーワード等を構成し、一目でわかるよう将来的に創出するコーポレートブランドのイメージを表現します。“読み解く必要のないわかりやすさ”が、インナーの行動方針に自然と影響を及ぼし、インターナルブランディングの成功へつながります。
ビジュアルアイデンティティ ベーシックデザインシステム
基本デザイン要素により構築したデザインシステムの規定を制定します。ここでの規定が各制作物のデザインを統合する決まり事になります。コーポレートロゴを核にしたシグネチュアシステム、コーポレートカラーをはじめとするカラーパレット、グラフィックパターン、コーポレートブランドフォント、背景色管理ルール、禁止事項、その他、基本規定の諸般について定めていきます。
軽く扱われがちの事ではロゴのアイソレーション規定も重要です。ロゴ周辺にマージンを設け、その範囲内に文字や画像などを配置しない規定ですが、それだけで展開アイテム、特にアプリケーションアイテムのデザイン品質が上がります。
LOOK & FEEL
企業の雰囲気を表現するブランドトーンは、視覚的に一瞬で伝わるため非常に重要です。言語よりも優先して直観で伝わり、第一印象として企業がもつ性格が決められます。そのためビジュアル表現におけるトーン&マナーを管理する必要があり、全アイテムをイメージ統合されたデザインで制作します。ブランドパーソナリティをベースにイメージワードを抽出し、ビジュアル全体の雰囲気を決定づけるカラーパレット、コーポレートブランドフォント、フォトディレクションを規定します。
ビジュアルアイデンティティ アプリケーションデザインシステム
各種アプリケーションアイテムの設計書を編纂します。レイアウトやフォント、その他デザイン要素について全て数値化し、どの担当者でも再現可能なまでに具体化します。アイテムによってはフレキシブルな弾力性が求められ、特にサインシステムなどでは設置現場における現場判断で行う部分も想定します。 PPTや名刺などコーポレートフォームなどでは、当該アイテムのテンプレートデータも併せ作成し、マスターデータとして納品します。
マスターデータ集
以下におけるデータファイル各種を、マスターデータ集に盛り込み納入します。
●ガイドラインデータファイル:基本的にPDFファイルをデータ納入。PPTパワーポイントもありますが、その場合は編集~管理責任部門・担当者を明確にしておくことは必須です。第三者に頒布する際は知財管理の面から編集不可のPDFデータを、また社内の各関係者間で社内サイト上から共有できることが望ましいです。
●ロゴデータ、他基本デザイン要素:コーポレートロゴの他、システム化した全ロゴデータ、及び社名ロゴタイプやグラフィックパターンなど基本デザイン要素のデータをパッケージングします。AIイラストレーターファイルをはじめ、PNG、SVGデータファイルがパッケージングの対象になります(2020年現在)。
●各テンプレートデータ:PPTパワーポイントテンプレートとWordテンプレートを始め、アイテムによりExcelを含む各種Officeドキュメントのテンプレートデータ、名刺や封筒、ノベルティなど印刷データをパッケージングします。WEBサイトのテンプレートプログラムは内容に応じて判断します。
●再現用カラーチップ:使用機会の多いコート紙に印刷したカラーチップを作成し、カラーマネジメントの基準にします。印刷現場でのカラーコントロールで利用機会が多いですが、特に特色印刷は経験を要する職人的な面があり、印刷担当者の練度が問われます。商品パッケージなど、印刷メディアが顧客に向けて重要な役割にある企業は必須です。
コミュニケーション・浸透施策
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リレーション構築、インナー・アウター浸透施策の企画・実行
実効力がありコスト面でも有利なPRをコミュニケーション施策の中心に据え、WEBメディアを媒体の軸にし、各ステークホルダーとのリレーション構築を実施します。ステークホルダーとより良い関係性を構築し、コーポレートアイデンティティの浸透を図ります。PR企画・実行支援については企業それぞれに最適な方策があり、メディア取材を誘致する力などブランディングの成功に向けて広範な経験と知見を要します。これら広報活動やPRにおいて専門的且つ広範な支援が必要となる場合、豊富なノウハウとアイデアを持つACDC・コアメンバーが支援します。
インナー浸透施策 |
アウター浸透施策 |
インナー浸透施策
コーポレートブランドの世界観を伝え、明文化されたコーポレートアイデンティティを従業員と共有する施策を展開します。定番の施策としては、社内ポータルサイトでのブランドページの公開、クレドの発行、セミナーの開催、社内報の活用の他、社内ポータルを活用した諸活動などがあります。
アウター浸透施策
顧客や社会にコーポレートブランドの世界観を醸成し、共感を得る施策を展開します。オウンドメディアや特設サイトでのブランドページの公開、SNSなどアーンドメディアの活用・連携など、主にWEBメディアを軸にリアル施策とクロスしたコミュニケーションを企画~実行。マス広告でブランド認知を図るより、コスト面で有利なPR・広報活動を優先します。
タッチポイント/行動分析・プランニング
規定したブランドターゲットを中心に、顧客の心に残り行動を促すコミュニケーション企画を立案します。ブランドターゲットのペルソナをたてカスタマージャーニーを実施するなど戦略的に方策を立案。コーポレートブランドを体験するコミュニケーションポイントと最適な媒体について具体化します。
WEB戦略
実施範囲・ボリュームに応じて、またより高度な専門性とリソースが必要になる分野については、人的ネットワークを活用し各専門事業者と連携します。
●トリプルメディア:中期的観点からのオウンドメディアの充実を前提に、アーンドメディア・ミドルメディアを活用し、リアル施策と連携しながらバズを生み出す企画を立案します。
●SEO対策:中小企業のWEBマーケティングにおいて、SEO対策は重要な施策の一つになっています。内部コンテンツSEOではグーグルアナリティクスとその他ツールを使っての分析、内部コンテンツの最適化、企画制作まで対応します。グーグルアルゴリズムの基本を踏まえた範囲まで対応し、実施ボリュームが大きい場合はSEO専門事業者との連携、または紹介になります。
SEO対策については自然検索の上位1~3位までクリック率が著しく高く、以下10位までは相対的に高いというデータがあります。しかし必ずしも検索順位が上がった=コンバージョンアップとはなりません。そのためには内容の質の高さ、量の担保と的確なマーケティングによる対策が必要です。
※外部SEOは基本的に受けつけていません。
●WEBサイトのメディア化/自社内更新システム構築:WEBサイトをメディア化することで、リレーション構築とSEO対策に大きく寄与します。また近年、WEBサイトの運用・更新面が課題となっているケースを多く見受けます。これらメディア化や更新面について、低コスト且つ容易に実現するにはオープンソースCMS利用が早く、Wordpressが早道です。セキュリティに懸念がある場合はMovable Typeの選択もあります。社内に更新・運用担当者を選任する他、メディア化においてはその企画内容により、社内でチーム組成が必要な場合もあります。
プレスリリース、取材誘致等メディア対応
とりわけ中小企業の場合、3D動画を使うなどリリース先の興味を引くよう策を練ったプレスリリース、パブリシティにおいては勘所をおさえた話題性のある企画が取材誘致の成功につながります。他プレスキットの企画制作をはじめ、メディア対応に臨む際の各種アドバイス等を提供、支援します。
運用サポート
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デザインマネジメント、WEBサイト運用管理サポート、広報・PR支援
ブランド創りでは、リレーションを構築する絶え間ないコミュニケーション活動、また企業の成長ステージや事業環境の変化・拡張に対応するよう、常にブランドマネジメントへの取り組みが必要です。中長期にわたるその取り組みにおいて、ブランドアイデンティティやVIを軸としたデザインマネジメントは、その一貫性・統合性を保ちながら柔軟に対処していくことが肝要です。ブランドアイデンティティやデザインマネジメント、及び各種制作物の運用について、中長期に渡りサポートします。
デザインマネジメント
弊社はVIシステムやブランドガイドラインの運用をはじめ、各種制作物の運用をサポートしています。アイデンティティの表現軸に則ったデザインディレクションをはじめ、ビジュアルアイデンティティ各規定の準拠状況と現実的な運用面で難や破綻がないか、アイデンティティの変化等に伴う修正はないかなど、ヒアリングとヒューリスティック分析を通して把握、改善していきます。
近年はコーポレートアイデンティティ・VIを背景にしたPPTドキュメントの制作案件が増加しており、そのノウハウを継続的に蓄積しています。PPTによる営業支援ツールやパンフレット、手元資料、スライドショーによるプレゼンシート等、PPTの運用サポートについてもご相談ください。
WEBサイト運用管理
WEBページの修正・更新や増設などコンテンツ管理、内部コンテンツSEO、ドメイン・サーバー管理などを継続的にサポート致します。月極を基本に、必要とするサポート範囲に合わせお見積り差し上げます。
WEB環境の進化は非常に早く、SEOだけ取り上げても常にその状況を追跡しておく必要があります。案件規模や内容により、システム開発を事業基盤とするIT企業、株式会社ヴァンガードテクノロジーを緊密に連携しWEBシステム開発から運用までサポート致します。
販促・PR支援
企業の事業活動においてそのコンセプトとなるアイデンティティの創造・構築、及びビジュアルアイデンティティはじめ各種コミュニケーションアイテムなどデザイン面の創造では、コーポレートブランディングの枠組みや基盤まで支援します。
コーポレートブランディングにおいては、ステークホルダーとのリレーションを構築し、心に具体的な実を創る継続的な取り組みが必要です。それがコーポレートブランドを創リ出します。それらPR、コミュニケーション施策の立案~実行はACDC・コアメンバーがサポート致します。
CIデザイン・VI開発パッケージ
ブランドグラフではCI計画におけるCIデザイン・ビジュアルアイデンティティ等、とりわけデザイン・クリエイティブから開始する実績が多数あります。その場合、デザイン・制作に特化したパッケージとして予算を抑えたプロジェクトが可能です。
抽象的になりがちなブランディングを大まかに整理
現代における私たちの日常生活は、様々な企業によるブランドを創るための施策に取り囲まれています。そのブランディングとは要するにブランドづくり。企業が積極的に取り組むブランディングについて、CIブームからの流れも含めてざっくり説明。
アイデンティティの一貫性、デザインや意志の統合的展開
中長期に渡り、統合されたメンバーの意志とデザインの下、一貫したコーポレートアイデンティティ(コーポレートブランドアイデンティティ)を伝えていく取り組みの意義について。