【ブランディング – ブランドロゴ・企業ロゴの役割 ❷】社会との結びつきを作るブランドロゴ・企業ロゴ
ブランドロゴ・企業ロゴは共感の印であり、信頼と結束の象徴。
ブランドロゴはブランドと社会、企業ロゴは企業と社会との間に強い関係性を創り出すための目印。
顧客をはじめ各ステークホルダーは、企業ブランドを含むブランド固有のロゴを目印に各ブランドを識別し、そのブランドに関する様々な知識や体験を連想ゲームのように結びつけていきます。そのロゴの背景には商品や製品、広告・宣伝、PRやCSR、企業イメージから従業員のイメージまで様々な知識や体験に基づく情報があります。“ブランディングはロゴを創ること”とカン違いする理由はここにあります。本来はロゴの背景にある知識や体験をより良く大きく育てること。ブランドロゴや企業ロゴはそのための目印です。
ステークホルダーにとって、ブランドロゴ・企業ロゴは“共感の印”
ブランドロゴ・企業ロゴはユーザーや投資家、社員など多くの人々とブランド・企業を結びつける。
ブランドや企業への共感と親近感が高まるにしたがい、ブランドロゴ・企業ロゴは受け入れられて愛着となり、いずれ社会の共有財産にもなり得る。
ステークホルダーにおいて企業ブランドを含むブランドに関する知識・体験が積み重なるにしたがい、ブランド・企業への共感と親近感が強まっていきます。そしてブランドに関与し共に参加する意識となり、社会における存在意義と価値が高まっていきます。ブランドファンのボリュームが大きくなると社会的な共有財産にもなり得、例えばブランドロゴ・企業ロゴをリニューアルするとなると、ブランドファンであるなしに関わらず議論も起きるでしょう。大きくブランドロゴが入ったシャツを着るなど、時には顧客自身の表現にもなります。それは共感の表明でありインフルエンサーも現れます。長くステークホルダーと接触し、受け入れられたブランドロゴ・企業ロゴはいずれ社会的な共有財産にもなり得ます。
ブランドロゴ・企業ロゴは、そのブランドファンにとって自身の表現手段になる。
中長期にわたり使用され、幅広く目にするブランドロゴや企業ロゴ。精緻で造形品質の高いブランドロゴ・企業ロゴは財産になり、ブランドの“知覚品質”を担保します。
ブランドロゴがプリントされたTシャツを着る。当然かっこよくなければ、またそのブランドや企業に少なからず共感がなければ積極的に着ません。特にコンシューマーにとってブランドロゴ・企業ロゴは、造形美術として完成されていなければなりません。その造形品質はブランド・企業の知覚品質に直結します。そのため造形的なブラッシュアップをきちんと行い、高い造形品質を持つ必要があります。その品質がいずれステークホルダーにとって愛着となりブランド・企業の財産になります。
新鮮味はいずれ薄れます。私などはわずか数秒から数分で消え去ります。ブランドロゴ・企業ロゴは中長期で目にされることに耐え得る造形品質を持たなければなりません。
また本来、精緻化作業は職人的であり経験が必要です。その作業には相応の制作時間を要しますが、よく軽視され見落とされる工程です。この造形品質と精緻化作業については改めて詳述します。
ブランドホルダーやオーナーにおいて、ブランドロゴ・企業ロゴは“信頼”と“結束”の象徴
ブランドロゴ・企業ロゴはアウターに保証を付与する署名、インナーとはアイデンティティを共有する旗印。
ブランドロゴ・企業ロゴは商材の信頼性を保証する“シグネチュア”。
ブランドロゴは顧客や消費者などアウターにとっては“判子”や“署名”、シグネチュアです。商材やコミュニケーションメディアの信頼性を保証し「この製品は我々のブランドです。品質はご存知の通りこれまでの実績が保証します。」「この面白い広告は、我々のブランドの広告です。このブランドは面白いんです。」と表明します。“この商品は○○○○ブランドだから安心ですよ”となります。
そのロゴの背景には企業規模やCSR、従業員のイメージや顧客対応、歴史や伝統、商品の使用体験、第三者の評判、PR効果…様々あります。それら全てブランド連想でありブランドロイヤルティにつながります。中長期でのブランドイメージ創りやコーポレートイメージを意識した活動が必要、ロゴを作ったからといってブランドが創られることはありません。
ブランドロゴ・企業ロゴは商材の信頼性を保証する“シグネチュア”。
アウターにとって、ブランドロゴ・企業ロゴに必要な要件。
上記を鑑みると、アウターにとってブランドロゴ・企業ロゴに必要なのは競合ブランドに対しての識別性や独自性、一目で認識できる視認性、テキストロゴでは可読性。それらが顧客においてブランドロゴ・企業ロゴの認識と記憶を促します。シグネチュアをしっかり認識させることで、アウターにおけるブランド知識が着実に大きくなりブランドイメージ・コーポレートイメージが創られていきます。
ブランドロゴは「ブランドの意志」、企業ブランドでは「企業の意志」。ブランドプロポジションを体現したもの。
まとめ
ブランドロゴは「ブランドの意志」、企業ブランドでは「企業の意志」。
即ちブランドや企業の本質、プロポジションを体現したもの。
ブランドロゴは一言で言うと「ブランドの意志」、企業ブランドであれば「企業の意志」を体現したものです。ブランドの意志はインナーの人々によって創られていきます。ボトムアップ型のコーポレートアイデンティティ開発は容易ではないですが、社員や従業員の方々が中心となりコーポレートアイデンティティを積極的に創造、明文化作業を行います。一方で一般的に多いトップダウン型のコーポレートアイデンティティ開発では、トップ経営層の方々が中心となりコーポレートアイデンティティを創造していきます。
そのブランドや企業のプロポジション、ブランド・企業の意味や意義を凝縮した本質。それを体現したものがブランドロゴ・企業ロゴです。それを旗印にインナーのメンバー皆が「ブランドの意志」や「企業の意志」をブレずに表現していきます。人々を結びつけて結束を促進するものであり、決して押しつけではありません。時にはステークホルダーを巻き込んで、皆で事業やブランドを創造していく。その方向性を想起させるシンボルです。
【ブランディング - ブランドロゴ・企業ロゴの役割❶】
ブランドロゴとブランドコミュニケーションの関係~地上の“花”と地中の“実”